フットケアとは正しく足爪のケアをすることを主体に、医療と連携をとり、局所及び全身の状態に注意しながら爪・足の健康な状態を保っていくケアのことです。

フットケアの手順

フットケアは、アセスメント(問診)→足浴(足を洗って足を清潔にする)→角質除去→爪切り→仕上げ(やすり)→保湿・トリートメントの順で進めていきます。ここでは、内容と流れを簡単にご紹介していきます。

1.準備 
フットケアは、清潔で、足や爪の状態をよく観察できる明るい場所で実施するようにします。
2.アセスメント(問診)
フットケアを行う際には、最初にアセスメントを行います。
3.足を清潔にする 足浴
爪切りは、足をお湯につけた後の爪が柔らかくなっている状態が最も適しています。
4.拭き取り
足浴が終わったら、拭き取ります。
5.角質除去
「ゾンデ」を使用して角質を取り除きます。
6.爪切り
爪切りは、「爪切り用ニッパー」を使用します。
7.仕上げ(やすり)
爪を切った後は、爪やすりを使用して爪の切り口を滑らかにします。
8.保湿・トリートメント
皮膚を保護するために保湿剤を塗ります。
9.片づけ
1~10の手順でケアを終えたら、周囲の片づけを行います。
10.身じたく
靴下を履かせます。一通りのケアが終わったことを伝え、施術完了となります。

フットケアの魅力

私達が行っているフットケアとは、ただ爪を切るのではなく「正しく足爪のケアをすることから、足元や全身の状態も見て、爪と足を健康な状態に近づけ保つこと」と、目の前の方と向き合うことでもあります。フットケアの時間は、目の前の方のための時間。足元がきれいになり心地良くなってくると、いろんなお話や思いを語り合う時間になることもあります。

1.岩手県で唯一の「爪切り専門家」養成

  • [自己流から正しい爪切りへ]
    患者さん・利用者さんの爪切りで悩んでいた現場の方々の悩みが解消されます。
  • [一度身に着けると皆さんのお役に立てます]
    介護士・看護師として現場で役に立つだけでなく、ご家族や大切な人のケアにも活かせます。
  • [実際は難しい]
    足を「守る」ためにも必要な知識・技術です。足や爪で悩んでいる方々から喜んでいただけるので、とてもやりがいがあります。
  • [肥厚・変形の爪が多い現実]
    普通の爪切りでは切れない爪もスペシャリストとして対応するために、実技・実習を重点的に行う講座です。
  • [自分と家族のケアが可能に]
    フットケアは自分の体一つあればいつでも出来るので、自分のケアに病気や怪我に、また妊婦や赤ちゃんにも使えます。
  • [介護現場におけるフットケア]
    歩行、立ち上がり、立位保持の際に大事な役割を果たしてくれます。

2.フットケアの不思議

  • [お互いに笑顔が生まれる]
    できれば見られたくなかった足元がきれいになると、フットケアの後は大体の方が笑顔になります。ケアをしたワーカーもうれしくなります。
  • [ポジティブな意識に変わる]
    足元が楽になると、ちょっと歩いてみよう…と思ったりします。歩けると、少し外を見てみよう…と少しずつ気持ちが前向きになります。
  • [心と体が楽になる]
    足や足趾(足指)に触れられていると、血液の循環が良くなります。しっかり足を洗うだけでも、気持ちよくなり歩く姿勢も変わってきます。
  • [気持ちよさが心に残る]
    認知症の方が「爪を切ってくれた人」と記憶してくださったり、言動の落ち着かない方がフットケアの時は静かに座って爪を切らせてくださる方もいらっしゃいます。
  • [信頼関係が生まれる]
    普段人目につかない足を見ることにより、その人の本質に触れられこともあります。

 

3.こんな時にもフットケア

  • [癒しの時に]
    爪が伸びたから…だけではなく、触れ合うことで気持ちが楽になることもあります。
  • [運動する前に] 正しい爪切りをしていると運動のパフォーマンスが上がります。
  • [ベッドで過ごすことが多い方にも]
    歩くためだけではなく、限られた場所で少しでも気持ちよく過ごしていただきたい…。歩けなくなったからこそ、その足に触れてケアすることが重要です。
  • [終末期のケアに]
    「あと何をしてあげられる?」最期を迎える時、きれいに身支度をして差し上げませんか?痛みを与えず、手早く的確にケアをするのもプロとしてできることです。フットケアをすると痛みが和らぎ精神的に楽になるので、緩和ケアとして最適です。