理学療法士視点!魚の目(ウオノメ)とは?原因と予防、改善方法を徹底解説!
魚の目「ウオノメ」と呼ばれるものは、正式には「鶏眼(けいがん)」といいます。魚の目は多くの人が一度は経験したことがある足のトラブルの一つです。痛みが伴うことも多く、歩くのがつらくなることも・・。そんな魚の目について、原因や予防法、できてしまった場合の改善方法を詳しく解説します。理学療法士の視点で、魚の目ができやすい歩き方についても解説していきます。
魚の目って何?
魚の目とは、足の皮膚の一部が硬く厚くなってしまう状態を指します。主に足の裏や指にでき、中心が芯のように硬くなるのが特徴です。この芯が神経に当たると痛みが生じ、歩行が困難になることもあります。
魚の目は、似た症状の「タコ」と混同されがちですが、タコは広範囲に皮膚が厚くなるのに対し、魚の目は特定の”点”に芯ができるのが特徴です。
魚の目の生活への影響
魚の目ができると、体重がかかると足の裏に痛みがあるため、以下のような生活への影響が現れます。
1.歩行の乱れ
魚の目ができると、痛みを避けようとするために、体重のかけ方や歩き方が不自然になります。 これにより、姿勢のバランスが崩れ、足首、膝、腰などに過剰な負担がかかることがあります。また、リハビリの現場においては、魚の目ができている方は、靴を踵まで入れずに歩くことがあり、歩行が乱れるだけでなく、転倒しやすくなります。
2.パフォーマンスの低下
魚の目があると、ランニング、ジャンプ、ダッシュなどの運動において、足の安定性やバランス能力が低下します。結果的に、運動におけるパフォーマンスが低下します。
3.疲労の増加
痛みをかばうために、足や体の他の部分に過剰な負担がかかり、筋肉や関節が普段以上に疲労します。 これにより、運動後の疲労感が強くなる可能性があります。
4.怪我をしやすくなる
魚の目による痛みや不自然な動作により、足首の捻挫や膝の痛みなどの怪我をするリスクが考えられます。 特に、運動中にバランスが崩れたり、足を正しく着地できなかったりすることで、関節や筋肉に過剰なストレスがかかります。
魚の目ができる原因は?
魚の目ができる主な原因は、長期間にわたる圧力や摩擦です。以下に、具体的な原因を挙げます。
- 靴のサイズが合わない: 小さすぎる靴やヒールの高い靴を履いていると、足の一部に強い圧力がかかりやすくなり、魚の目ができやすくなります。
- 歩き方の癖: 偏った歩き方や姿勢が悪いと、特定の部位に負担が集中し、そこに摩擦や圧力がかかり、魚の目ができることがあります。
- 足の変形: 足の骨の変形や外反母趾などがあると、靴と足の間で圧力が生じやすく、魚の目ができやすいです。
- 長時間の立ち仕事: 足にかかる圧力が増え、特にヒールやつま先が狭い靴を履いていると、足にかかる負担が大きくなります。
魚の目を作らないための予防法
魚の目を予防するためには、日常のちょっとした習慣が大切です。以下のポイントを押さえておけば、魚の目を防ぐことができます。
- 靴選び
自分の足に合った靴を選ぶことが最も重要です。特に、つま先部分に余裕がある靴や、足裏にクッション性のある靴を選びましょう。また、ヒールが高すぎる靴は足部にかかる負担が大きいので、履く頻度を抑えることも大切です。 - 歩き方を見直す
自分の歩き方に癖がないか、姿勢が悪くないかを確認しましょう。偏った歩き方をしていると、足の特定の部分に負担がかかり、魚の目ができやすくなります。正しい姿勢とバランスの良い歩き方を意識することが予防につながります。 - 定期的に足をケアする
足裏に摩擦や圧力がかかりやすい人は、日頃からフットケアを行うことが大切です。足裏の角質を定期的に削ったり、保湿クリームを使って乾燥を防ぎましょう。 - インソールを活用する
靴の中に入れるインソールや足のクッション材を使うことで、足にかかる圧力を分散させることができます。これにより、魚の目ができにくくなります。
魚の目ができやすい歩き方は?
魚の目は上述の通り、圧力や摩擦が一部に掛かり続ける歩き方をすると発生します。具体的には以下のような歩き方をすると魚の目ができやすくなります。
1. 前かがみの姿勢
前かがみで歩くと、足の前方、特に指の付け根部分に強い圧力がかかります。この部分に圧力が集中することで、魚の目ができやすくなります。ハイヒールを履いている時も、前に体重がかかりやすいため、魚の目の原因になります。
2. 猫背や肩が内側に入った姿勢
猫背で歩くと、体の重心が前に傾くため、足の前方や指に負担がかかりやすくなります。この負担が繰り返されることで、特定の部位に摩擦や圧力がかかり、魚の目が形成されやすくなります。
3. 偏った体重移動(左右どちらかに重心が偏る)
歩く際に、左右どちらかに体重が偏ると、片足の特定の部分に負担が集中します。たとえば、外側に体重がかかる歩き方をしていると、足の外側や小指の付け根に圧力がかかり、そこに魚の目ができることがあります。
4. 足を引きずる歩き方
足を引きずって歩くと、特定の部位に常に摩擦がかかります。これが魚の目を形成する原因になります。特に足裏全体に負担がかかるのではなく、一部に圧力が集中しやすいことが原因です。
5. 内股や外股の歩き方
内股や外股で歩くと、足の特定の部分に負担が集中します。内股の場合は足の外側、外股の場合は足の内側に魚の目ができやすくなります。足の指に負担がかかることも多く、特に親指や小指の付け根に魚の目ができることがあります。
6. 長時間立ったままの姿勢
長時間同じ姿勢で立ち続けると、足にかかる圧力が特定の部分に集中します。特に、硬い床の上に立つことが多い仕事の人や、立ち仕事をしている人は、足裏に負担がかかりやすく、魚の目ができやすくなります。
もし魚の目ができてしまったら?改善方法
魚の目ができてしまった場合でも、早めに適切な対策をすれば改善できます。ここでは、魚の目を改善する方法を紹介します。
- 足の保湿をしっかり行う
角質が硬くなるのを防ぐために、保湿は重要です。特にお風呂上がりに保湿クリームをしっかり塗ることで、皮膚の柔らかさを保つことができます。 - 市販の魚の目パッドを使う
薬局などで購入できる魚の目専用のパッドや保護シートを活用しましょう。魚の目が擦れないように保護しながら、歩く時の痛みを軽減できます。また、パッドには角質を柔らかくする成分が含まれているものもあります。 - 角質をやさしく削る
魚の目を無理に削り取るのは逆効果ですが、専用のヤスリを使って少しずつ角質を取り除くことで、改善が期待できます。ただし、芯の部分が深くなると自分での処置が難しくなるため、無理に削らずに医師に相談するのが良いでしょう。 - 皮膚科やフットケア専門医に相談する
魚の目がひどくなったり、痛みが強い場合は、専門の医師に相談しましょう。レーザー治療や専用の薬を使って、安全に治療してくれます。また、足の変形や歩き方の指導を受けることで、根本的な解決を図ることも可能です。
まとめ
魚の目は、足にかかる圧力や摩擦が原因でできるもので、適切な靴選びや歩き方を見直すことで予防できます。もし魚の目ができてしまったら、早めのケアや専門医の診断を受けることが重要です。足は毎日の生活において重要な役割を果たしているので、定期的なケアを心がけましょう。