理学療法士視点!「足の臭いを防ぐ」足の臭いの原因と正しいフットケア方法
足の臭いの悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。足は靴や靴下を履いている時間が長い場合が多いため、環境的にも臭いが発生しやすい部位です。今回は、足の臭いの原因、足の臭いを防ぐためのフットケア方法や日常生活でできる予防法を解説します。
足の臭いの主な原因とは?
足の臭いの正体は「イソ吉草酸(いそきっそうさん)」という成分です。この成分は、足や体臭、靴下などの臭いの主成分で、皮膚の常在菌が汗や角質を分解する際に発生します。足の臭いを防ぐには、以下の原因を知り、正しく対処することが大切です。
① 足の汗による蒸れ
足の裏には、体の中で最も汗腺が多く、1平方センチメートルあたり約500個とも言われています。これは手のひらとほぼ同数で、体の他の部位と比べると非常に多いことがわかります。足の裏に多く存在する汗腺は、エクリン腺と呼ばれます。エクリン腺は、ほぼ全身に分布していますが、特に手のひら、足の裏、脇の下に多く存在します。エクリン腺から出る汗は無色透明で、主成分は水分と塩分です。足の裏は1日にコップ1杯分(200ml)以上の汗をかくこともあります。汗自体は臭くないですが、靴や靴の下の中で蒸れると雑菌が繁殖し、臭いが発生します。
② 角質の蓄積
足の裏の古い角質は雑菌のエサとなり、分解されると臭いの原因となることがあります。特に、足の裏がガサガサしている人は角質が増えやすく、雑菌が繁殖しやすい環境になっています。
③ 靴や靴下の影響
靴や靴下の選び方も、足の臭いに大きく関係しています。毎日同じ靴を履いていると、汗が乾かず、雑菌が繁殖する原因になります。靴下も、雑菌がナイロンやポリエステルなどの化学繊維に染み付いてしまいます。通気性の悪い靴(合皮やブーツなど)や靴下は、足の蒸れにより、足の匂いがより強くなってしまう可能性があります。
④足の洗い方
「毎日お風呂に入っているから大丈夫」と思っていても、足の指の間や爪の隙間までしっかり洗えていないと汚れや皮脂が溜まり、足の臭いの原因になります。 足の指の間や爪の隙間は汚れや皮脂が溜まりやすく、臭いの原因になりやすいため、入浴の際に丁寧に洗うことが大切です。
足の臭いを根本的にフットケアする方法
足の臭いを抑えるためには、正しいフットケアを習慣化することが大切です。以下の方法を実践して、足を清潔に保ちましょう。
① 正しい足の洗い方
石鹸やボディソープを使い、指の間や爪の隙間までしっかり洗うようにします。 角質が増えやすいかかとも優しくこすって洗います。また、 洗い残しがあると菌が繁殖しやすいため、足を洗った後はしっかり乾かす(特に指の間)ことも大切です。
② 角質ケアをする
古い角質をケアすることで、雑菌の繁殖を防ぎ、臭いの発生を抑えられます。週に1~2回、軽石ややすり、フットスクラブを使って角質を除去します。ケア後は保湿クリームを塗り、足の乾燥を防ぎます。
③爪のケアも忘れずに
足の爪の中にも汚れが蓄積するため、ブラシを使って洗います。普段から爪を長くなり過ぎないように切って整え、ケアしておくことも大切です。
④足の消臭アイテムを活用する
上述の方法を試していても、気温が高い季節はどうしても汗をかきますし、ある程度の臭いは発生します。そこで、消臭スプレーや足用デオドラントクリームを使用することも足の臭いを予防するのに非常に有効です。ミョウバン水(制汗効果あり)をスプレーしたり、ベビーパウダーを足の裏に塗る(汗を吸収し、臭いを防ぐ)方法もあります。
足の臭いを予防するための習慣
足の臭いを根本的に防ぐには、日常生活の中で予防策を取り入れることが大切です。
①靴をローテーションして履く
毎日同じ靴を履かず、2~3足をローテーションして履くことで。靴の中に残った汗を乾燥させ、臭いの元となる雑菌の繁殖を抑え、臭いが発生するのを防ぐ効果があります。靴の中に重曹や炭の消臭剤を入れて保管しておくとより効果的です。
②通気性の良い靴や靴下を選ぶ
通気性の良い素材(メッシュ素材など)の靴を選び、綿やシルクなどの吸湿性の高い靴下を履くことでも足の臭いを防ぐことができます。5本指ソックスを活用し、指の間の汗を吸収するのも有効です。最近では、消臭繊維が使用された靴下も市販されています。竹炭繊維や銅繊維など、消臭効果の高い素材を使用した靴下は気になる足の臭いを強力に抑えます。足が蒸れにくい環境を作ることが臭い予防のポイントです。
③ 食生活を改善する
食事によって体の内側から臭いをコントロールすることも大切です。脂質の多い食事は、皮脂の分泌量を増やし、皮脂の酸化を促進します。肉類や脂っこい食事を減らし、野菜や発酵食品を積極的に摂るようにします。
④定期的に足を乾燥させる
靴を履く前や脱いだ後に、足をしっかり乾かすようにします。オフィスや自宅では、こまめに靴を脱いで足をリフレッシュさせることで足の雑菌の繁殖を抑えることができます。職場環境が許せば室内はスリッパを履き、屋外でのみ靴を履くようにするだけでも足の臭いは発生しにくくなります。
リハビリと足の臭い
筆者は理学療法士ですが、患者さんの足を触る機会が非常に多いです。また、対象となる方の年齢は高齢の方が多く、冬でも靴下を履いていない方も多くおられます。理由としては、歩きにくい、気持ち悪いと感じる方が多いようです。しかし、靴下は足の保護の役割もあるし、乾燥して剥がれ落ちた足の角質が床に落ちるのを防ぐ効果もあります。また高齢者の方に特に多い白癬(水虫)の家族への感染を防いだり、部屋を清潔に保つこともできるため、気温が高い季節でも薄めの吸湿性の高い靴下を履くことをお勧めすることもあります。
高齢の方で、足の臭いが気になる方はほとんどいないと感じています。高齢になると汗の分泌量も減少し、どちらかというと乾燥に注意する必要があります。実際に高齢者の方のお家にお邪魔すると、ベッドの周りに白い角質が多数落ちていることもあります。靴下を履いていない方の中には糖尿病などで感覚を感じにくくなっている方が多い傾向にあるため、患者さんの足にも注意を払って観察しています。
まとめ
足の臭いの原因は、「イソ吉草酸(いそきっそうさん)」という成分です。この成分は、汗や角質をエサとした雑菌が繁殖することで発生します。汗・雑菌・角質の3つが大きな原因となるため、毎日のフットケアと靴・靴下の管理が重要になります。
足の臭いを防ぐポイントとして、毎日しっかり洗い、角質や爪のケアをすること、靴をローテーションし、定期的に乾燥させること、吸湿する靴下を選ぶこと、蒸れを防ぐ消臭アイテムや制汗スプレーを活用することなどが挙げられます。これらの習慣を取り入れて、清潔で健康的な足の状態を維持しましょう。