理学療法士目線!あなたの足に合う靴の選び方
毎日履く靴だからこそ、自分の足にぴったり合ったものを選びたいですよね。足に合わない靴は疲れや痛みの原因になるだけでなく、姿勢や歩き方にも影響を与えます。この記事では、快適で健康的な足元を守るための「あなたの足に合う靴の選び方」を解説します。
足に合っていない靴のデメリット
足に合っていない靴を履くことで起こるデメリットは多岐にわたります。主なものをまとめると以下の通りです。
足や体の痛み・疲労感
足に合わない靴は歩き方が不自然になり、足・膝・腰などに痛みが生じたり、全身が疲れやすくなります
外反母趾や指の変形、タコ・マメ、巻き爪の発生、
靴の中で足が動いたり、圧迫されたりすることで外反母趾や指の変形、タコやマメ、巻き爪などができやすくなります。まずは足に合った靴を選ぶことから足の健康が始まります。
足のアーチの崩れ(扁平足・開帳足)
サイズが合わない靴は足のアーチを崩す可能性があり、扁平足や開帳足の原因になります。
姿勢の悪化・歩行障害
不適切な靴は歩行や姿勢を悪化させ、筋肉や関節に余計な負担をかけ、バランスを崩しやすくなります。
むくみや血流障害
筋肉や血管への負担が増え、足のむくみや血行不良を招くことがあります。
靴擦れ・足底筋膜炎などのトラブル
靴の中で足が動くことで靴擦れや足底筋膜炎、魚の目などのトラブルも起こりやすくなります。足底筋膜炎では、かかとから足指の付け根まで広がる足底腱膜が炎症を起こし、「朝起きて最初の一歩が痛い」などの症状が出ます。長時間の立ち仕事や合わない靴が原因となることもあります。
足の指の変形(ハンマートゥ、マレットトゥ、クロートゥなど)
サイズが合わない靴を履き続けることで、足の指先の変形が進みやすくなります。
転倒や骨折リスクの増加
特に高齢者の方は、合わない靴による転倒・骨折が寝たきりの原因になることもあります。
靴自体の損傷・寿命短縮
サイズが合わないことで靴がすり減りやすく、型崩れや早期の買い替えが必要になることもあります。
自分の足に合った靴の選び方
上述のようにならないために、どうやって自分の足に合う靴を選ぶと良いのでしょうか。以下のものを参考にしてみてください。
①足のサイズを正確に測る
靴選びの基本は、まず自分の足のサイズを正確に測ることが大切です。足の長さだけでなく、幅や甲の高さもチェックしましょう。
- 足の長さ:かかとから一番長い指先までを測ります。夕方は足がむくみやすいため、夕方に測るのがおすすめです。
- 足の幅:靴の幅が合わないと圧迫感や痛みの原因になります。幅広や幅狭の靴も選択肢に入れましょう。
- 甲の高さ:甲高の方は、靴の甲部分にゆとりがあるものを選ぶと快適です。
②試着は必ず両足で行う
左右の足のサイズは微妙に違うことが多いので、必ず両足で試着しましょう。歩いてみて違和感がないか、つま先に余裕があるかを確認します。ネットショップで購入する際は、最近では試着ができるシステムもあるのでそれを使うか、実際の靴屋さんで試着してから購入すると間違いがありません。
- つま先の余裕:靴の先端に指一本分(約1cm)の余裕があるのが理想です。
- かかとのフィット感:かかとが靴の中で滑らないことが重要です。
- 足の甲の締め付け感:きつすぎず、しっかりホールドされているかをチェックしましょう。
③用途に合わせた靴を選ぶ
靴は用途によって求められる機能が異なります。登山用やウォーキング・ランニング用など様々な種類の靴が販売されています。普段使い、仕事用、スポーツ用など、目的に合った靴を選びましょう。
- 普段使い:クッション性と通気性が良いものを選びましょう。
- ビジネスシューズ:見た目の美しさだけでなく、長時間履いても疲れにくいものや汗をかいても蒸れにくいものがおすすめです。
- スポーツシューズ:運動の種類に合わせたサポート力やグリップ力が必要になります。
④素材と作りをチェック
靴の素材や作りも履き心地に大きく影響します。
- 天然皮革:通気性が良く、足に馴染みやすく、高級感もあり長持ちします。
- 合成素材:軽量で手入れが簡単。防水性や耐久性に優れたものも多いです。
- ソールの柔軟性:足の動きに合わせて曲がる靴底の方が歩きやすいです。
⑤靴の試着時に注意したいポイント
- 靴下は普段履くものと同じ厚さのものを履いて試着します。
- 靴を履いて店内を歩き、足の痛みや違和感がないか確認します。
- 長時間履くことを想定し、足の疲れやすさもチェックしておきましょう。
靴底(ソール)の選び方
ソールは靴の履き心地を決める重要な要素です。柔らかい地面(芝やカーペットなど)では薄くて硬いソールが適していますし、硬い地面(アスファルトやコンクリートなど)ではクッション性のある柔らかいソールが快適です。以下に特徴をまとめています。
柔らかいソールの特徴
- 主にスニーカーやランニングシューズなど、日常使いや運動向けの靴に多い
- 衝撃吸収性が高く、長時間歩いても疲れにくい
- 屈曲性が高く、足の動きに合わせてしなやかに曲がるため歩きやすい
- ただし、長時間歩行や不整地では足が疲れやすい場合もある。
硬いソールの特徴
- 革靴や登山靴、安全靴などに多い
- 足への負担を軽減し、安定感や耐久性が高い
- 不整地や重い荷物を背負う場合、足元の安定性が重要なため硬いソールが適している
- 足の筋力を鍛える効果も期待できるが、慣れていないと疲れやすいこともある
シーン別おすすめの硬さ
シーン・用途 |
おすすめのソール硬さ |
理由・特徴 |
日常使い・ウォーキング |
柔らかめ~中間 |
歩きやすく、衝撃吸収性が高いため疲れにくい |
ランニング・スポーツ |
柔らかめ |
屈曲性が高く、足の動きに追従しやすい |
登山・トレッキング |
中間~硬め |
荷物が重い、地面が不安定な場合は硬い方が安定しやすい |
ビジネス・革靴 |
硬め |
見た目の美しさと耐久性、足のサポート力が高い |
高齢者・足腰が弱い方 |
柔らかめ |
衝撃吸収性重視で、足への負担を減らす |
まとめ
あなたの足に合う靴を選ぶことは、快適な歩行と健康維持の第一歩です。正確なサイズ測定、両足での試着、用途に合った靴選び、素材や作りのチェックをしっかり行いましょう。定期的に足の状態をチェックし、必要に応じて専門店でインソールを作成するのもおすすめです。足に合った靴で毎日をもっと快適に過ごしてくださいね。