訪問看護のフットケアに加算はある?2026年の最新制度で混同しやすい「保険」と自費ケア

「訪問看護でフットケアをすると加算が取れるのですか」「フットケア専門管理加算が新設されたと聞きました」。検索すると、制度資料、学会の要望、研修案内、古い改定情報が混在し、現場では判断しにくいテーマです。

結論から言うと、2026年9月22日に確認した厚生労働省の現行「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」には、「フットケア加算」または「フットケア専門管理加算」という名称の独立した算定項目は確認できません。ネット上で見かける同名の資料には、学会からの要望・提案資料が含まれます。提案と施行済み制度は分けて読む必要があります。

訪問看護師が最新の制度資料を確認するイメージ
訪問看護師が最新の制度資料を確認するイメージ

1.現行点数表に「フットケア加算」という項目はない

厚生労働省の2026年度改定資料には、訪問看護基本療養費、訪問看護管理療養費、各種加算などが定められています。しかし、現行告示本文を「フットケア」「フットケア専門管理加算」で確認しても、同名の項目は掲載されていません。

したがって、「足を見た」「爪を切った」という行為だけで、一律に専用加算を算定できるとは説明できません。算定の可否は、保険種別、主治医の指示、利用者の状態、訪問看護計画、実施者、記録、各項目の要件を個別に確認する必要があります。

現行の訪問看護点数表と確認事項を照合するイメージ
現行の訪問看護点数表と確認事項を照合するイメージ

2.学会の要望資料は、施行済みの制度ではない

厚生労働省サイトには、「訪問看護基本療養費(Ⅱ)およびフットケア専門管理加算を評価」という文言を含む資料があります。ただし、これは日本フットケア学会からの技術評価の要望資料です。要望資料に名称や点数案が書かれていても、それだけで現行制度に採用されたことにはなりません。

制度を確認するときは、資料の表紙や区分を見て、「告示・通知・点数表」なのか「要望・提案・検討資料」なのかを確かめます。研修案内やSNSの要約だけで判断せず、厚生労働省の当該年度資料に戻る習慣が大切です。

要望資料と施行済み告示を分けて整理するイメージ
要望資料と施行済み告示を分けて整理するイメージ

3.フットケアは、訪問看護計画の中で目的を明確にする

専用加算がないことは、訪問看護で足を見なくてよいという意味ではありません。足の観察、清潔保持、生活指導、医療への報告などが必要な場合は、主治医の指示と利用者の状態を踏まえ、訪問看護計画の中で目的と内容を明確にします。

たとえば、爪を短くすること自体を目的にせず、皮膚状態、循環、感覚、浮腫、靴、歩行、セルフケア能力を確認し、生活上の困りごとと結びつけて記録します。異常を見つけたときの報告先と中止基準も、事業所内で共有します。

訪問先で足の状態と生活環境を確認する看護師のイメージ
訪問先で足の状態と生活環境を確認する看護師のイメージ

4.医療保険・介護保険・自費サービスを混同しない

訪問看護は、主治医の指示や制度上の要件に基づくサービスです。一方、自費の訪問フットケアは、本人や家族の希望で契約し、料金表に基づいて利用します。同じ日に同じ人へ関わる場合でも、記録、契約、説明、費用負担を曖昧にしてはいけません。

自費サービスを紹介・併用する場合は、保険サービスとの役割、誰が提供するか、何を行うか、費用、連絡方法を本人・家族・関係職種で共有します。事業所の運用については、最新の告示・通知に加え、地方厚生局、保険者、自治体等へ確認してください。

本人と家族へサービスの違いを説明するイメージ
本人と家族へサービスの違いを説明するイメージ

5.管理者が確認したい7項目

  1. 対象者に必要なケアか、本人の希望があるか
  2. 主治医の指示・訪問看護計画との関係は明確か
  3. 足と全身の観察項目、実施内容、中止基準が決まっているか
  4. 研修、実技確認、器具・感染対策の手順があるか
  5. 異常時に誰へ報告し、どの医療機関へつなぐか
  6. 保険と自費を分け、費用と契約を説明できるか
  7. 算定根拠を最新の告示・通知で確認したか
訪問看護チームが足の観察手順を共有する研修のイメージ
訪問看護チームが足の観察手順を共有する研修のイメージ

6.学ぶ目的は「加算を取るため」だけにしない

フットケア研修の価値は、特定の加算名を覚えることだけではありません。切ってよい爪か、医療へつなぐべきか、本人は望んでいるか、生活の何に困っているかを観察し、チームで共有できる力を育てることにあります。

足プロでは、看護・介護の経験を生かしながら、ケアと医療の境界、観察、実技、連携を段階的に学ぶ講座を案内しています。資格講座を検討する方は、講座の概要講座申込みをご確認ください。

まとめ|制度は名称ではなく、現行告示と算定要件で確認する

2026年9月22日現在、現行の訪問看護療養費の点数表に、独立した「フットケア加算」「フットケア専門管理加算」という名称は確認できません。要望資料を施行済み制度として扱わず、当該年度の告示・通知で確認してください。

この記事は制度の一般情報であり、個別の算定可否を判断するものではありません。実際の請求は、利用者ごとの状態と計画、最新通知を確認し、必要に応じて地方厚生局等へ照会してください。

よくある質問

学会資料に250点と書いてありますが、算定できますか?
要望資料に記載された点数案と、施行済みの点数表は別です。現行告示に同名項目があるか、算定要件を確認してください。

訪問看護で爪切りをしてはいけないのですか?
一律の可否ではありません。爪・皮膚・全身状態、主治医の指示、計画、事業所手順、実施者の能力を踏まえて個別に判断します。

自費の訪問フットケアを紹介できますか?
可能な場合がありますが、保険サービスとの区別、契約、費用、情報共有を明確にしてください。

参考情報

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html(確認日: 2026-09-22)
  • 厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9734&dataType=0(確認日: 2026-09-22)
  • 厚生労働省掲載「訪問看護基本療養費(Ⅱ)およびフットケア専門管理加算を評価」https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001597565.pdf(技術評価の要望資料、確認日: 2026-09-22)

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