理学療法士視点!一番身近な「角質ケア」の方法と道具の使い方
フットケアは特別なものではなく、日常的に普段の入浴のついででも簡単に行えるものです。今回は、フットケアの中でも気にしている方が多く、手軽に行える「角質ケア」についてご紹介します。
運動習慣と「角質ケア」
筆者は理学療法士をしていますが、普段から綺麗な姿勢を保つことができる方は、運動習慣が自分なりに確立できていて、足の角質も整っており、足部のトラブルが少ない印象があります。
運動不足で筋肉のバランスが悪いと、姿勢も悪くなりがちです。さらに運動不足による足の浮腫(むくみ)も少なからず発生します。そうなると歩き方も体重が前後左右に偏り、足の角質が一部固くなったり、足のトラブルを抱えやすくなります。
忙しい中でも、頑張って普段から運動習慣を自律的に確保することで、足のトラブルを未然に防ぐことができますし、姿勢も整のってきます。ぜひ以下に紹介する角質ケアの方法と一緒に、気持ちの良い運動習慣を自ら確立されることをお勧めします。
自分で角質を除去するフットケアの方法
角質はセルフケアで十分対応できます。セルフケアのための道具として必要なものは、
- 電動角質リムーバー
- ピーリング液
- フットブラシ・スクラブ
などです。
「電動角質リムーバー」は一気に厚い角質も削り取り、「ピーリング液」は足の裏の皮をまるごとはがしてふわふわにしてくれます。どちらも痛みもなく、使い方も簡単です。フットブラシは擦るだけなので手軽です。以下に詳しくご紹介していきます。
「角質ケア」の4つの方法
自分でできる角質を整えるフットケアの方法は、
- 電動で削る
- 手で削る
- ピーリング液ではがす
- スクラブやフットブラシで磨く
の4つの方法があります。
ケアにかける時間や予算、結果が出るスピード、安全性などで自分にあったものを選んでください。それぞれのケアの道具やグッズの特徴と使い方、おすすめ商品をご紹介します。
①早く綺麗にできる「電動で削る」
時間がないときにおすすめなのが「電動角質リムーバー」です。ヘッドの部分がヤスリになっていて、電動で高速回転して厚い角質も一気に削ることができます。固い部分だけ削るようにできているので痛みもなく、数秒〜数分で角質を綺麗に整えることができます。
種類として、広い面積が削れるひげ剃りのようなものと、細かいところが削りやすいペンタイプのものがあります。電池式、充電式、コード式などがあり、パワーや回転数が違います。ヘッドの部分が取れて水洗いできるもの、全体が丸洗いできるもの、ヘッドの種類が差し替えられるものなどがあります。ヘッドの素材も耐水性ペーパーヤスリから高級セラミックまで各種あり、性能や消耗期間がそれぞれ異なります。価格は1,000円くらい〜3,000円台が主流です。
使い方
スイッチを入れて、角質に軽くヘッドを当てます。最初は少し触れるように当ててみて、慣れてきたら3〜4秒当ててください。使う頻度は多くても週に1、2回で十分です。もしくは角質が気になったときに使ってください。
注意点
- 濡らさず、乾いた足で行います。
- 軽く当てて使うのが基本になります。強く押しつけると回転が弱まったり、痛みや熱を感じる場合があります。
- 削れた角質が白い粉になって飛ぶので、新聞紙の上などで行うのがおすすめです。
一般的で手軽な「手で削る」
ヤスリで角質を削る、という最も手軽な方法です。自分で力の加減ができるので、フットケア初心者におすすめです。ヤスリ部分はステンレスか耐水性のペーパー製で、それに持ち手がついたタイプが主流です。最近は手に収まる丸い形のガラス製のヤスリも人気があります。価格は100均から3,000円くらいまであります。
使い方
乾いた状態か、お風呂に入って角質が少し柔らかくなった状態で使います。水分を拭き取ってから角質にヤスリを当て、一方方向に削ります。(往復で削ると面がざらつきます。)使う頻度は週1〜3回くらいで十分です。
注意点
- 足の裏がふやけていると削りすぎてしまう場合があります。
- ヤスリに雑菌が繁殖しやすいので、使用後はよく洗って乾かしてください。
ゆっくり角質を整える「ピーリング液」
ゆっくりと少ない刺激で綺麗に整えるには、ピーリング液もおすすめです。
足の裏全体の角質が軟化し、ツルツルの肌に生まれ変わります。痛みもありません。商品によってピーリング液に浸す時間が30分〜2時間くらいまであります。価格は300円前後から2,000円前後です。
使い方
専用の靴下型のビニール袋にピーリング液を入れ、足を浸します。一定の時間をおいて、洗い流した後、保湿してください。2日〜1週間くらいで皮が剥けてきてます。
使用頻度に関しては、気になるときに使い、1回使用したら最低1カ月は間をおきます。季節ごとに1回でも十分です。
注意点
- ケミカルピーリングなので肌に合わない場合があります。事前にパッチテストを行ってください。敏感肌の人は十分に注意してください。
- 水虫がある場合は使用しないでください。悪化することがあります。
予防的要素が強い「スクラブやフットブラシで磨く」
それほど角質が厚くなく、優しいケアをしたい方におすすめなのが、フットスクラブやフットブラシで足を磨く(洗う)ことです。肌に負担が少なく、水虫予防やニオイ対策にも高い効果があります。
フットスクラブは微粒子の入ったクリームやジェル、石けん状のもので、洗うたびに徐々に角質を落としてくれます。微粒子は植物の種を砕いたものや塩、砂糖、ダイヤモンドパウダーやケミカルなものまでいろいろあり、粒の大きさや効果が違います。ニオイを抑える成分や保湿成分も含まれているものもあり、香りが楽しめるものも多いのが特徴です。
フットブラシも最近人気があるようです。「ブラシ」といっても、見た目は突起がたくさんついたマットのようなものです。電源も特別な薬品も必要なく、毎日体を洗うついでにマットの上で足をゴシゴシするだけなので、非常に手軽です。価格はフットスクラブが数百円〜3,000円前後、フットブラシは数百円〜7,000円前後になります。
使い方
フットスクラブは、お風呂に入ったときに、スクラブのクリームやジェルを手に取り、角質がある部分を円を描くように軽くマッサージします。固形の石けんタイプは、直接足に当てて行います。1〜2分マッサージしたら、ぬるま湯で洗い流します。使用頻度は週1〜3回程度で大丈夫です。フットブラシはお風呂のイスに座り、石けんで泡立てたフットブラシの上に足を乗せ、前後にゴシゴシ動かすだけです。簡単で非常に手軽に行えるので、毎日のバスタイムで行えます。
ケアの最後は「保湿」が大切
角質ケアをした後は、必ず保湿クリームを塗ってしっかり保湿を行いましょう。角質除去をした肌は、皮膚の防御機能が著しく低下した状態です。傷つきやすく、乾燥しやすいので、そのままにしておくと体の防御反応が働いて、さらに厚い角質を作ろうとします。ケアの後こそが角質ケアの大事なポイントになります。保湿クリームをしっかり塗って、乾燥を防ぎましょう。
根本から改善!角質を溜めない方法
そもそも、なぜ角質が分厚くなってしまうのでしょうか?ケアすることも大切ですが、予防が最も大切です。角質ができる主な原因とその改善方法をご紹介します。
自分の足に合った靴を選ぶ
つま先に5㎜〜1㎝のゆとりがあり、歩いてかかとがぬげない靴を選びましょう。角質ができる一番多い原因は、自分の足に合った靴を履いていないことです。靴が足に合っていないと、よけいな衝撃や摩擦が起こります。特にヒールやパンプスでは足の裏に過度な圧力がかかり、その衝撃から体を守るために角質が厚くなりやすくなります。
足裏のアーチを強くする
足の裏には「指の根元」「土踏まず」「小指から踵(かかと)」の部分に3つのアーチがあり、足の衝撃を吸収しています。運動不足や加齢によってアーチを支える筋肉が衰えると、平べったく広がった「開帳足」になってしまい、衝撃をうまく吸収することができず、角質が分厚くなる原因になります。タオルを床の上に置き、足の指でたぐり寄せる運動(タオルギャザー)で、足の裏のアーチの筋肉を鍛えるのも角質対策として有効です。
まとめ
フットケアは普段の入浴でも行い、習慣化することでより効果を発揮します。セルフケアで角質ケアを行う方法は「電動で削る」、初心者は「手で削る」、「ピーリング液ではがす」、予防ケアに「スクラブとフットブラシで磨く」という方法があります。
それぞれ多少の道具を揃える必要はありますが、普段の体のケアにプラスして行うことで、より健康的な足を手に入れることができます。注意点としては、ツルツルになった踵や足は気持ちの良いものですが、やりすぎて角質を削りすぎてしまわないように注意しましょう。角質がより厚くなることもあります。
根本的には、自分に合った靴を選ぶことと、よく歩くようにしたり、日頃から運動習慣を作り、足裏のアーチを維持する(足先の筋肉を維持する)ことが角質を溜めないために大切です。